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あんなぷるな道中膝栗毛
12.美しい少女(チョムロン)
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ドバンからの下りは、数日前に歩いたばかり、勝手知ったる道 なのでノンビリと下る。 今日の目的地チョムロン迄は、殆ど下りなので気が楽だ。 両側に迫る岩壁や滝等眺め乍ら、ゆっくりと下る。 途中シノワという集落を通り過ぎ様とした時に、茶屋のオジさん に呼び止められた。 まさか、私ではないと思っていたが、親主さんが、手紙を持って やってきた。 見ると、ABCで一緒だったF君の置き手紙だった。 ABCでの予約や、この手紙といい 「洒落た事をするなぁ!」 と、皆で感心してしまった。 シノワから回り込んで来ると、もう目の前はチョムロンである。 後は一気に下り、ヒマラヤ版上高地アンナプルナサウス、 ヒウンチュリの吊り尾根から、流れ落ちるチョムロンコーラ(川) の吊り橋を渡り一気に登り返せば、今日の目的地チョムロンの ゲストハウスは、目と鼻の先である。 膝に持病を抱える山本氏は、下りはダメだが登りは滅法強い。 私と中野氏はすぐに置いて行かれる。 登りの途中チョータラがあったので、一息入れる事にした。 山本氏は随分と先を歩いている。 チョータラに腰掛け休んでいると、色々な声が聞こえてきた。 隣りが学校の様だ。 放課後の様で皆、バレーボール等して遊んでいる。 我々が休んでいると、学校から一人の少女が出て来た。 年の頃は中学2~3年と言った所だろうか? その少女は我々の前迄来て、チョータラの上に乗っている籠を 担ぐと、きれいな瞳で私達に、 ニコリと微笑んで、下へ下って行った。 ネパールに来てこんな美しい少女に出会ったのは、後にも先にも この時だけだった。 こちらの子供達は、家の手伝い等労働もしているので、余計に 健気な感じがする。 心洗われる思いです。 足に持病があるくせに、健脚な山本は既に宿に到着していた。 私と中野氏がニコニコし乍らこの話をすると、地団太を踏んで 悔しがったのは、言う迄もない。 <目次に戻る> Top Page |
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