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あんなぷるな道中膝栗毛
29.我愛しのピースフルホテル
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ピースフルホテルで我々は、別々に部屋を取る事にした。 一月以上一緒なので、一人ずつノンビリしようと言う事になった のである。 私の部屋は裏通りに面していて、シャワーもトイレも自室に ついている。 早速シャワーを浴びようと、コックを捻ったのだが、 シャワーの頭の部分が、お湯と一緒に、私の頭に落ちてきた。 宿の主人にこの事を言うと、 「分かった今直ぐ直す!」 と心良い返事が返って来た。 工事は30分程で終り、 「もうバッチリだ!」 と、合図を送って来る。 早速部屋に戻り、シャワーの蛇口を捻ると、さっきと同じ事が 起こった。 唯差し込んだだけなのである。 その後トイレの水も流れっ放しになり、結局全て自分で修理 した。 「ネパールだから仕方が無い!」 結局最終的に、この言葉に行き着くのである。 現在、私の部屋の窓からは、ホテルの新築工事の様子が見ら れる。(すぐ前なのだ) 夫婦の左官屋さんの様だが、砂にセメントを混ぜるのだが、 奥さんが小さなスコップで4~5回混ぜ、水を掛ければ、 アーラ不思議!立派な“モルタル”の完成である。 「あーあれで良いのだろうか・・・・・・」 日本では考えられない工事風景を、何度も目撃した。 このホテルの屋上の手すりも、モルタルで出来ているのだが、 寄り掛かると柵ごと転落しそうなので、触れる事は一度も無 かった。 それでも気兼が無く、人の良さそうな主人の顔を見ると、 「これがネパールなんだ!」 と妙に納得してしまうのである。 そしてこのノンビリズムが、心地良くさせてくれているのだと思う。 あの荘厳な山を見ていると、細かい事等あまり、気にならない のかも知れない。 <目次に戻る> Top Page |
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