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s030 稜線のタムセルク(シャンボチェ) ヒマラヤ山中を 歩いていると いろいろな 道に出くわす 自分が歩いている道から 右上へと 一直線に 細い道が延びている その時は 何故かその道が 気になった 何か天国へ続く 道の様に思えた どうせ気ままな一人旅 何処へ行くのか その道を 登って行った 稜線迄登ると 裏側は 大きな一枚岩だった 人一人が やっと通れる 道が付いている 途中まで降りると 下から柱を5、6本担いだ青年が 登って来た 結構な絶壁である すれ違いは 体を何度も入れ替え 多いに苦労した なんとか下まで降り 休んでいると 何処からともなく 笛の音が聞こえてきた 見ると あの青年も 難所を通り抜け一息ついている 材木を建て掛け バンスリと呼ばれる ネパールの笛を 吹いているのだ その音は 真正面にそびえる タムセルクを始め ヒマラヤの 峰々に響き渡った すれ違いのお礼か? などと勝手に思ったが 何かこの国の 文化の高さを感じた 暫くは 聞きいっていたが この天から 降る様に聞こえる笛に 見送られて 知らぬ道を 又降りて行った #エベレスト街道 ここに掲載された全ての作品の著作権は 佐々木修および関連した会社にあります。 Top Page . . . <EOF> . |