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s135 明神岳

その年は徳本峠の小屋に、捜索の仕事で、
ひと月近く世話になったと思う。
春から秋まて月始めに5日から6日は、泊まっていた。
現在の小屋とは違い
もの凄くいい味の出ている小屋だった。
既に相当傾いている小屋で、
丸太でつっかい棒をしているのだが、
その丸太が大分腐っている。
戸を閉めると、上と下で20cm程隙間が出来るのだが、
戸にはその隙間を塞ぐベニヤ板が
貼ってあるのて問題ない。
当時北アルプスで一番いい味の出ていた小屋だったと思う。
話が横にそれてしまったが、
小屋から少し登ると、明神岳が一望できる。
毎朝赤く染まる美しい岩峰を眺めるのが日課だった。



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